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寺子屋【中級編】グローバルシャッターとローリングシャッター

2種類のシャッター方式

カメラのシャッターには、2通りの仕組みが存在します。グローバルシャッターとローリングシャッターです。

グローバルシャッターは、撮像面(センサー受光面)におけるシャッターの開放がその画素全体として同時に行われるものです。ローリングシャッターは、画素ごとに受光するタイミングが異なるもので普通は横一列(ライン)が同時に受光し、一ラインの受光のあと、隣(下)のラインが受光し、と次々と受光を行う仕組みです。

 

 

グローバルシャッター

イメージしやすいのはグローバルシャッターで、仮に1秒のシャッター時間であれば、全部の画素が1秒という共通の時間、同時にずっと光を受け続けるので画素間に時間差ということは起きません。

一方ローリングシャッターは、光を受ける時間差があり、この時間差のある情報を集めて1枚のフレームを構成するので1枚のフレームに異なるタイミング(時刻)の情報が混在するということになります。

フレームやシャッターという用語の説明は、隣の部屋に置いてあります。そちらを先に覗いてみてください。☞こちら

 

ローリングシャッター

このように、1枚の画像(フレーム)を生成するのに時間差で露光面に光が当たります。横一列は同じ時刻の情報が露光していますが、列単位で見ると、上から順に情報が確定していくことなります。

撮影対象がカメラに対して動いていない場合はグローバル、ローリングどちらのシャッターで撮影しても違いはないのですが、撮影対象が動いている場合、ローリングシャッターではその対象の姿を正しく映像に収めることができない場合があります。

グローバルシャッター 対象が動いている場合

仮に棒が画面の左から右へ動く様子を1枚の映像に収めた場合を考えます。

 

 

 

グローバルシャッターの場合は、棒全体が同じ時刻で撮影(露光)されているので、その姿は本来の姿のとおりに撮像されます。

 

 

 

全画面、一気に露光して画面全体として同じ時刻の情報で確定しますので、その姿のとおりに画像が生成されます。

 

ローリングシャッター 対象が動いている場合

ローリングシャッターの場合は、最初に画面の上の方のラインが露光します。このとき棒は画面の左側に位置するので、左上のほうに像ができます。

次に、画面上下の中央のあたりのラインが露光します。このとき棒は、画面左右の中央に位置するので、ちょうど画面中央付近に像ができます。

最後に、画面の下の方のラインが露光します。このとき棒は画面の右側に位置するので、右下のほうに像ができます。

これらの情報は1枚の映像を生成するために順次露光された情報なので、最後にフレームとして確定するときには、これらの情報が重なった形になり、できた映像(フレーム)には左上から右下へと流れたような映像となります。

説明のイラストでは、全体を3つのラインで分割した表現ですが、実際のカメラ映像では数百のラインから構成されることを想像すれば、斜めにつながったような映像となります。

 

厳密に言えば・・・

 

シャッターの開く時間は有限(シャッターの時間はゼロにはならない)なので、逆に言えばグローバルシャッターの場合であっても、(ブレる)ということは必ず起きます。それは大げさに言えば正しい姿を撮影できていない、ということになります。グローバルシャッターも正しくないなら、ローリングシャッターと比べて五十歩百歩、という言い方も有りうるとは思います。ただ、そのブレはシャッター時間を短くして、画面内の移動量が1画素未満に収まれば結果として得られたフレーム(画像)の中ではほぼ無視でき本来の姿のとおりに画像が生成されていると判断されます。

【ローリングシャッターを選択する理由】

読み進まれた読者の中には、だったら全部グローバルシャッターにすればいいのに、という感想に至る方も有ると思います。ローリングシャッターが採用される理由、これはひとえに(コスト)の問題です。大量生産、コスト削減の価値が高い民生品でのカメラにおいてはセンサーの回路のコストを小さくすることの価値が高いので、このようなローリングシャッターによる形のひずみは許容されている、ということです。

CCDとCMOSイメージセンサーの登場

カメラのセンサーがCCDばかりだったころ、逆に、その仕組み上、CCDの画像センサーはグローバルシャッターを採用していました。センサーに撮像された情報を同時に各画素の近くで全画素分電荷に変換して、さらに全画素の電荷を順次移動させ電気情報~AD変換と流れていた処理が実現していました。CMOSが登場し画像センサーとしてもこの仕組みが採用されると、いくつかの長所が重宝で画像センサーの仕組みは一気にCMOSの時代に移っていきました。このとき出現したのがローリングシャッターです。各画素で電荷情報を電気信号に変換する仕組みなので全画素の情報が揃うのを待つのではなく(露光~電荷~電気信号)という順次処理を行う都合上、露光もそれに合わせて順次露光となりました。CCDはグローバルシャッター、CMOSはローリングシャッター、という棲み分けの時代が有ったのです。

CMOSとグローバルシャッター

その後技術の進化にともないCMOSにおいてもグローバルシャッターが実現できる仕組みが表れました。特に(本来の像を正しく撮像したい)とういニーズが強かった産業用・研究用のカメラにおいては、CMOSでグローバルシャッターという組み合わせのカメラが多数登場するようになりました。(ただ見られればいい)という映像の役割が、その情報をもとに二次情報=計測や判定=を引き出す「画像処理」のための素材という役割を担うようになりグローバルシャッターの重要性が高まったということです。

センサーの進化

現代では、画像処理による判定や画像処理による計測などの用途においてグローバルシャッターは当たり前にように選択される技術となりました。一方で、スマートフォンのカメラなど映像を記録して見ることで完結する用途においてはローリングシャッターが当たり前のように選択されています。ただ近年この垣根が少しずつ分かりづらくなりつつあることも確かです。ローリングシャッターとはいえ、短い時間で露光が完了しさえすれば、そのひずみがより小さくなるのは自明なので、その部分をつきつめて(ローリングシャッターだけれどひずみがとても小さい)ことを売りにするセンサーも登場しました。これはスマートフォンでも産業用ハイスピードカメラのようにスローモーションが得られる、というニーズと親和性が高いと考えられます。画像処理が民生品でも採用されるようになると、その一部は計測のフィールドに入り込み、それまでのローリングシャッターの弱点を克服することに価値が見いだされたということでしょう。

 

その意味では、どのカメラを使って画像計測の素材とするか、はグローバルシャッターとローリングシャッターの質的な違いから、(どの程度の精度を求めるか)という程度問題に様相が変化してきた、と言うべきかも知れません。

イメージセンサーの(粗っぽい)歴史

ハイスピードカメラ(高速度カメラ)

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